科学者だというKさんのツィートには憤りを感じます。Kさんは「被爆したら奇形の子どもが生まれると言うのは福島の女性への差別につながる」と言っています。
結論から言うと、Kさんの言ってることはおかしいです。そしてその態度は常に上から目線、障害者のことや差別のことなど考える態度ではありませんね。
「被爆したら奇形の子どもが生まれる」と言うのは差別ではなく、言葉足らずの推測です。正確には「奇形の子どもが生まれる確率が高くなる」というのが本当でしょうが、Kさんはそれも否定されているようですね。
まず「奇形の子どもが生まれる確率が高くなる」というのが本当かどうかですが、放射能が分裂途中の細胞の遺伝子を傷つけることは、その方面の第 一人者である児玉先生が明言されています。最も細胞分裂の激しい胎児の時に母親が被爆すれば、胎児の遺伝子に膨大な影響を与えて、奇形の子が生まれる確率 が高くなるのは当然です。
では、妊娠前に被爆した場合はどうか。これは内部被爆が主になると思いますが、母親の体内に入った放射性物質は体内でずっと放射線を出し続けま すから、その影響で胎児の遺伝子が傷つくことも考えられます。また、水俣病などで証明されているように、女性は妊娠によって母体の毒を胎児に送り、それを 排出する(産む)ことによって母体を守る体のしくみになっています。そのしくみによって放射線物質が胎児に送り込まれ、胎児が被爆するということも考えら れます。つまり、データがなくても「可能性」自体は高くなっています。
このこと自体はKさんの「科学者」としての三流ぶりを露呈していると思いますが、問題は「生まれてくる子どもが健やかであってほしい」と願う母親の気持ちを結果的に踏みにじっている点ですね。
まず前提として、私たちは「胎児や子どもに影響が大きい被爆から妊婦や子どもを守らなければ」と言っているのであって、「被爆したら奇形の子どもが生まれる」とは言っていません。
その上で、その発言が「福島の女性とは結婚しない方がいい」という「差別」につながると言うのは、実害を風評被害と言う思考と似ていて、本当の 「差別」を防ぐことを妨げています。つまり、「被爆しているから妊娠した時のリスクが大きくなる。」というのは結婚にとってマイナス要因になることは仕方 ないことで、妊婦や妊娠可能な女性、子どもが特に被爆の影響が大きいと訴えることは「実害」を防ぎ、結果的に「風評被害」(差別)を防いでいるのです。そ れを批判することは逆に差別を広げることにつながります。
そもそも人を「諌める」など、どれだけ自分をえらいと思っているのでしょうか。呆れます。
話が「障害者への差別」にまで飛躍していますが、誰も好きで障害者になった人はいません。障害を避けること、子どもに障害を持ってほしくないと 願うことは当たり前のことであって、差別ではありません。その気持ちは社会が障害を持った人にやさしければやさしいだけ小さくなるし、障害をもつ人が生き ていくことが大変であればあるほど、大きくなるでしょう。
差別と言うのは、理由にならないことで待遇などに差をつけられたり、当然の権利を奪われたり、無視する、暴力を振るわれるなどのイジメにあったりすることです。
例えば結婚相手を探す会に福島県出身だというだけでメンバーになることを断られた、というのは差別です。
けれど、被爆した、障害がある、遺伝する病気を持っている等、結婚生活や子どもへの影響が予想される相手を結婚相手に選ばないというのはその人の判断であり、差別ではありません。そしてそれらのことが結婚生活に苦労をもたらすものであることは事実です。
今回の事故による被爆の責任は国や東電、原子力安全委員会等にあるのであって、福島県の人たちが結婚しにくくなっているとしたら、それは放射能の危険性を訴えている人たちではなく、そういう事態を引き起こしてしまった国や東電等に非があるのです。
Kさんの考えは全く的外れです。
事の本質を見抜くこともできないで、「科学者」などと名乗るのは恥ずかしいことです。
ましてや自分の無知や愚かさに気づくこともなく、母親の愛情と言う不変の真理に向かって「諌める」などと、傲慢にもほどがあります。
もうひとつ付け加えるなら、この母親の愛情はわが子にのみとどまるものではなく、全ての命への愛情につながっていくものです。
「命を産み育てる女の感性」を持たない人にはそれがわかりません。その感性は男性であっても持っている人はいるし、女性であっても持たない人がいます。
結論として、Kという人は、自分の身の丈も知らず、科学の中途半端な知識で不変の真理に向かって大言を吐く愚かな人間であり、相手にする価値もないと思います。
 
 
10/8(土)


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